DC療法

DC療法とは

DC(Dendritic cell)は樹状細胞のことで、NK細胞や細胞障害性T細胞のようにがん細胞を直接攻撃せず、がん細胞を攻撃する役割の免疫細胞にがんの特徴を伝達し、がん細胞を攻撃させる司令塔役を担っている細胞です。
DC療法では、まず自己腫瘍または多くのがん種で高頻度に発現しているがんの目印を人工的に合成(人工がん抗原)したものを樹状細胞に覚え込ませます。がんの目印を覚えた樹状細胞を投与することで、体内でがんの目印を攻撃型の免疫細胞に伝達、がんを攻撃、排除させるという間接的な治療となります。

治療方法

ご自身の樹状細胞を取り出し、抗原を覚えさせ、身体の中に戻すプロセスとなります。
[1]適応可否の判定のための血液検査を行います。
[2]血液中の特定成分だけを採血する採血方法で、末梢血単核球を採取します。
[3]採取した末梢血単核球は定温で細胞加工センター(弊社)に送られます。
[4]採取した末梢血単核球から単球を分離します。
[5]自己腫瘍または人工がん抗原ほかを加えて培養し、がんの目印を覚えた成熟した樹状細胞を誘導します。
[6]誘導された樹状細胞は1mlの生理食塩水に浮遊させて医療機関に届けられます。
[7]医療機関で皮下注射にて投与します。

基本、2週ごとの6回投与で1クールの治療となります。
入院の必要はありません。

品質管理

弊社では品質の確保として、培養後の免疫細胞に対して次のことを確認しています。
[1]単球から樹状細胞への誘導が一定レベル以上できていること
[2]樹状細胞の数が一定レベル以上あること
[3]副刺激分子の発現量が一定レベル以上あること

他の治療法と併用

がん免疫細胞療法は、手術との併用で手術後の再発予防に効果があると考えられています。
また、化学療法や放射線療法との併用でも相加・相乗効果が期待されますが、化学療法との併用では体内で誘導されるがんを攻撃する免疫細胞が抗がん剤の影響を受け抗腫瘍活性の低下をきたすことがあるため、投与時期等の調整が必要となります。

副作用

がん免疫細胞療法は、ご自身の細胞を用いていることから重篤な副作用を引き起こすことはありません。
また、投与する免疫細胞は温度や湿度などの環境が厳重に管理されたクリーンな部屋で製造されるため、高い安全性と品質が確保されています。
一時的な発熱や悪寒及び投与したところの発赤や腫れを生じるケースがありますが、数日で軽快します。これは樹状細胞がつくり出すサイトカインと呼ばれるたんぱく質によるものと考えられています。

治療を受けられる医療機関

弊社が免疫細胞の加工製造をお受けしているDC療法の提供をしている医療機関は全国にございます。
お近くの医療機関をご紹介しておりますのでお問い合わせフォームよりお尋ねください。